今更なんですけど

ようやく宙組公演観劇してまいりました。

えーと…正直感想どころではないかもです。困惑しています。

劇は私が苦手意識を持っているキムシン演出だったのですが、アーネストは別として、王家、スサノオと比べて1番普通に観られました。相変わらず自分語りマンセーな部分はありますが、私的にセリフとしてふさわしくないと思っている語彙は特に無かったかな、と。舞台セットも1箇所を除いて満足。気になる1箇所は、最後の火あぶりです。砲台が回転してマンリーコが起き上がってくるインパクトはすごく良いのですが、領地をまもるための大事な砲台を火刑台にするなんて変。回転して火刑台になった時点で、あれを砲台と見なしてはいけないんでしょうけど、そんな都合よく頭が切り替わりませんでした。
ルーナ伯爵・ガイチさんはとても悪で良かったです。最初のマンリーコとの殺陣で、髪の毛が乱れるガイチさん、色っぽかったです。終盤の変則セリですごく高いところでライトに直接炙られながら(笑)、歌い続けるシーンはインパクトありました。（実は炙られてるのはマンリーコではなくルーナ伯爵では…(笑)）
後、出番は多くないですが、イケメンジプシー達が出る度に、私のオペラグラスは大活躍でした。

困惑の原因のショー。
これは今迄生で観たどのショーよりもひどい。
決して滑舌が良いとは言えないたかこさんに早口言葉のような主題歌。主題歌歌っている総ての人の滑舌が悪くなっていたので、個人の問題ではなさそうでしたが。
サンバっぽい変則ステップで銀橋渡りをする際にどうしても女性の内股ステップになってしまう男役の足が悪目立ちする、細見のつい最近どこかで見たような赤い衣装。
わりと最近どこかで見たようなラテンのリズムに合わせた群舞。
もうすぐ千秋楽だというのに「拍手」のようにバラバラに聞こえる団体でのタップ。

ジェンヌさんは広くいろいろなお稽古をやってはいるけれど、すべての生徒が高いレベルでダンサーなわけではないのに、こなせないようなプログラムを作るのはいかがなものか。まだ上手い人選抜でタップ踏ませるなら見られたかもしれないけれど、あの大人数でのタップは全然ダメ。タップシューズを履いていなければ気にならない粗にまで目が行く。
タップどころか群舞も他の組に比べて揃わない。わざと揃えない振付なのかと思ってみても、どうやら動きがバラバラなだけ。この仕上がりの悪さはなんなんだろう。

無理なレベルを要求するプログラムにも腹は立ったけど、もっと唖然としたのは、いろんなシーンのあからさまな既視感。あれは草野先生、あれは藤井先生、あれは荻田先生、みたいな。リスペクトしてさらに良いものを作るのではなく、おいしいとこどりなだけ。演出・振付・衣装デザインのどれを取っても劣化してるし。

演出家の勝手にあっけにとられましたよ…。

常々、劇は当たり外れがわかりやすくあるけれど、ショーは「アチャー」なシーンがあったとしても、大体は楽しく観られるもんだと思っていた私の価値観は、今回のショーでひっくり返りました。

そんな中で1番楽しかったのは、元ネタが「ネタ」疑惑が持ち上がった為、こっぱずかしいものになってしまったピアノ魔のシーンでした(笑)
宙組の注目若手が次々に出てきて、魅せてくれるので、シーン全体としては長かったけれど退屈せずに楽しめました。

あと、十輝いりすラブ(笑)
ちょっと前から気になってましたけど、宙組若手では1番好きになりました。十輝いりすにもっと出番を〜(笑)