雪組初日

2005年6月24日 日々のヅカ
ミラノ風カツレツはものすごくイマイチ。

「霧のミラノ」…私ここんとこの柴田作品はつまんないかもしれない。時々妙に古くさい表現に出会ったりして戸惑う。テンポが良くない。
ストーリーはオーストリアに侵攻されて虐げられているミラノ市民がレジスタンスを組織してミラノの開放を手に入れる、という暗い時代のものだけれど、ジメっとしたまじめなシーンと、市民の虐げられてもへこたれない明るいシーンがものすごくチグハグ。どちらのシーンも中途半端なので、結果薄く感じてしまう。
もういっそ、昔の映画の「大脱走」みたいに、全体をテンポの良いコミカルな作りに統一してしまったほうが良いと思う。
時代背景が難しいからか、狂言回しとして登場する新聞記者の壮くんとシナちゃんの扱いも中途半端。あれは狂言回しというよりもナレーター。劇にナレーターなんてつけちゃったらダメでしょー。
専科の鈴鹿さんと汝鳥さんはさすがの活躍だったけど、高さんの出てくる意味が理解できない。まったくストーリーに絡む必要がない出演で、気の毒なぐらい。
ただ希望が持てるのは、コムさん、水さんはこれから自分たちの演技の仕方を変えてくるだろうな、と思わせる余裕が見られました。コムさんがかわればまーちゃんも変わる。後は濃い役と見せかけて中途半端に終わってしまったかしげちゃんがどこまで変化してくれるかかなあ。
他に今回注目すべきなのは若手男役の台頭かな。キムちゃんは言うに及ばず、凰稀かなめ、緒月遠麻、沙央くらまあたりが安定してきてるし、そこにいきなり大湖せしるの出番がえらい増えている。
今迄男役が充実しているのは星組、と思っていたんだけど、雪組のこれからが非常に楽しみです。

「ワンダーランド」って…万博を意識していたのかと、今さらながら気付かされました。ショーなら「石田色」ってそんなに出ないのかな、と思っていたけれど、しっかり夢から醒めさせてくれる演出してました。
幕開きのシーンはなかなか格好良かったのですが、神殿のセット中央扉…あれ問題ないですか?なにか違うものをダイレクトに連想させるんですが…。私がそれを連想してしまうのは、歳取って下ネタOKのヨゴレになってしまったからなんだろうか…。偶然ならいざ知らず、石田先生わかってやっているんなら、宝塚始まって以来のジェンヌに対する壮大なセクハラだと思うよ。
CSニュースのお稽古場映像で、寒い寒いと思っていた主題歌ですが、ステージ衣装で舞台に乗ったら、お稽古場ほどのショックは感じなかったです。ただ慣れただけかもしれませんが。
ショーでも大湖せしる大抜擢。どうしたんだ。次作あたり無理矢理にでも新公主役させるつもりかというぐらい前に出てる。容姿には恵まれていると思うので、これから頑張れとよと思うけれど、まだまだ与えられた役の方が大きい感じ。本当に頑張れ。
コムちゃんのダンスシーンが物足りない。もっと躍らせてくれー。お上品にまとまりすぎ〜。がんがん踊ってるコムちゃんが見たいです。
全員のトレジャーハンターの衣装とトランプの衣装はものすごく良かったです。ただトレジャーハンターは懐中電灯は使うけど、レーザーポインタはあまり関係ないのと違うかなあ…。レーザーポインタのせいで、最初のシーンが宝探しだとは気付かなかったよ。

水さんが加わったことで、コムさんを真ん中に、かしちゃん水さんが対をなし、後ろに別格ハマコさん、まちかさんが対をなし、その後ろに壮くん、キムちゃんが対をなし、またその後ろに凰稀・緒月…とものすごく層が厚くなった雪組男役陣ですが、娘役陣が薄くなりました。となみちゃんが欠けた部分にいずるんが入るんですが、もう一つ地味というか。どちらかというと娘2番手がいなくなったままで、いずるんは愛耀子のポジションで、愛耀子はさらに番手が下がった感じがします。どうするんだろなー、雪組娘役。
今回の公演は、劇・ショーの内容よりも、今後の組内のポジションが気になる人向けかもしれないです。

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