大阪四季劇場は、ステージはバウホールくらい。客席は1,000人くらい入るハコで、間口は狭く縦長の劇場だった。
もともと四季に対しては食わず嫌いしていた部分がある。海外の有名ミュージカルを日本語訳して公演しているものが多いけど、パチもん臭い部分があるにも関わらず、高級感を押しだしている感じがするのだ。B級にはりぼてをしてA級にみせているイメージ。「四季を観るステイタス」みたいな。
客層もなんか違う。絵に描いたような「中の上」流みたいな人をよく見かけた。

そして観劇。最初の観客を物語に引き入れるための導入のシーンでどん引きする。貼り付いたような笑顔で大きい演技。そしてこの演目の売りでもあるアバの有名な曲を日本語訳で歌う。宝塚の芝居もミュージカルだから、ちょっとはミュージカル慣れしていると思っていたけど、ぜんぜん入り込めない。
アバの曲の日本語訳を歌うのが、この演目の売りなので、歌いだしたら「あーこの長い1曲を最後まで聞かないと次のシーンに行かないのか」みたいな飽きがくるし。
役者一人ひとりはすごく上手だと思う。職人的に上手な人が多いけれど、役者の個性はない感じ。同じ役を同じ期間中に4人くらいがローテーションで演じているから雰囲気を揃えるためかもしれないが、ろう細工の喫茶店のメニューを見ている気分になる。
そして折角の生の舞台なのに、映画やテレビをみている感じ。観る側に、別の解釈とか、別の萌え(笑)を想像させる余地が無い。
初日の時点で、完全にでき上がっていて、1回観たらあとは何回観ても内容は一緒だな、と確信する出来でした。プロの舞台なんだから完ぺきにできているのが当たり前なのかもしれないんだけど、舞台が育っていく面白みがない。数回観るとしたら、今回出ていなかった人が出ている日に観たい、と思うぐらいの事だと思う。

初日はようやく形がついたばかりで、千秋楽に向かってどんどん舞台がかわっていく宝塚とは全然違うものでした。技術の高い子も低い子もそれぞれが自分の出来ることを精いっぱいやって、舞台を面白いものに変えていく楽しさが、宝塚の魅力の一つなんだと再確認しました。
四季の役者さんもいろいろ観てみたら、個性の強い方もたくさんいると思うんだけど、演目に縛られて没個性を余儀なくされている人が多そう。それはそれで一つの芸の道だと思うけれど。

宝塚はスカステとかでお稽古場風景が流れても、本番の舞台は全然別物の夢の世界を楽しめるんだけど、今回あれっ、と思ったのは、お稽古場がどんな雰囲気なのか、本番を観ながら想像できてしまうのだ。

四季のコマーシャルでよく、「毎公演スタンディングオベーションの嵐」みたいな事を聞くけど、今回の演目の場合、劇が終わると宝塚のフィナーレみたいに、メインに使われた曲とともに演者が歌と踊りと挨拶をする。マンマ・ミーア!はアバの曲がメインテーマなので、ロックコンサート調でショーをやるのだが、「お約束」を知っているファン達が、コンサートを楽しむべく立ってしまうのだ。そうすると立ちたくなくても、ステージが見えないから立たざるを得ない。立って踊りたくなるほどのショーじゃないんだけどな。でもこれもスタオベ扱いされるのか…、といや〜な気分にさせられる。
なんかね、商売がうますぎて鼻につくんだ。

ひょっとしたらオペラ座の怪人とかCAT’Sとかアイーダとか、舞台設定が現代でないものを観たら、もっと違う印象を受けるかも。マンマ・ミーア!は演目そのものが弱点がわかりやすいと思う。

招待で観に行っといて、こんだけ文句書いたらいけないよな、と思いつつ、パンフレット1,500円は高いし、しかもパンフレットを入れる袋は有料で300円取られるとか、なんかね、いろんな事が不満だったの…。

支離滅裂で不快な内容ですみません。
四季ファンの方が読んでいたら、それもすみません。
私の性格に合わなかっただけです。ハイ。

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